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1996年10月、ブエノスアイレスにおける第6回国際オンブズマン会議は、世界で知られている最大のオンブズマンの要員poolを集めた。(注)今や75以上の国がオンブズマンの理念に賛同しており、その他の国はオンブズマンを創設する過程にある。

(注)86か国が参加したといわれている。

 

1−3.

ソヴィエト帝国の消滅に続く、民主化の過程で、また、その結果として、東欧のさまざまな地域において、オンブズマン概念の採用、あるいはそれと同種の人権組織が見られた。もちろん、このことは、それに関係した国々にとってだけでなく、世界共同体にとっても明らかな発展なのである。これらの生まれたばかりの組織を支え、また安定した社会的・政治的環境において継続することを促進するために、多大な努力が注がれる必要があろう。このような環境でそれらの組織が最終的にうまく遂行されるための基礎は、新しい政治システムそれ自体の形成と進展における一般の人々の信頼が存在し、大きくなることである。新しい民主国家のほとんどは、根本的な経済的変革を何とか受け入れようと苦労しているようであり、また効果のあるオンブズマンの役職を創設するために必要な財源不足に苦しんでいるようである。

1995年11月、私はナミビアの沿岸都市スバーコプムントSwakopmundで開催された南アフリカ会議に出席した。この会議は、フリードリヒ・エバート財団、すなわち発展途上国における民主的制度の発展に貢献する組織によって主催されたのであるが、そこには〔発展途上国の〕代表たちが出席しており、その多くが、ナミビア、南アフリカ、ボツワナ、レソト、マラウィ、ザンビア、ジンバブエからの比較的新しいオンブズマンたちであった。

 

この会議における最も強力な議論の流れthreadsの一つが、新しいオンブズマンの役職を創設する際の立法的・構造的な必要条件ということがであった。実際のオンブズマンの役職の独立の程度についてだけでなく、目に見えるperceived独立の程度と、この独立性が財政的資源、オンブズマンの指名に関する政府のかかわり合いの程度、人材資源の源泉と地位、及び他の関連する事件によって〔独立性が〕侵害されるかもしれないという〔独立性の〕範囲についてもかなりの関心があった。もちろん、このことは、オンブズマンがあまりにも独立しすぎて、機関の長や必要な場合には大臣を直接対象からはずされるであろうとか、さもなくばオンブズマンの有効性の多くを失うであろう、ということをいっているのではない。私が思うに、本当に関心があった問題は、オンブズマンが政治的な介入から開放され、また議会に対する十分な責任があるということを、いかに立法的に保障するか、ということであった。

しかし、会議の間に明確になったオンブズマンにとってのもう一つの特別な課題は、基本的人権を擁護する際のオンブズマンの任務であった。

 

 

 

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